討議資料・見解・私学おおさか

2013/03/04
私学助成制度を脅しに使う「日の丸」「君が代」の強制は許されない
大私教幼小中高校専門学校部執行委員会は、大阪私立中学高等学校連合会の「『入学式・卒業式等における国旗掲揚・国歌斉唱』について」の「見解」(別掲)を発表しています。この「見解」では、府議会での議員の発言に追随する私学・大学課と大阪私立中学校高等学校連合会の対応を批判しています。
大私教幼は、この見解を各学園理事会に送付し、各学園で「君が代」「日の丸」を生徒・保護者・教職員に強制しないよう要請しました。また、大私教各分会や全国の私学教職員組合など大阪私学内外に発信、「国旗掲揚・国家斉唱」問題のビラも作成中です。卒業式・入学式は教育の場です。私学助成カットの「脅し」で「思想・良心の自由」「私学の自由」に関わる「日の丸」「君が代」を強制はすることは許されません。

私学助成カットの「脅し」で、私学教育への不当な介入は許されません
  大阪私立中学高等学校連合会の「『入学式・卒業式等における国旗掲揚・国歌斉唱』について
  (配慮方のお願い)」文書について
2013年1月15日
                           大私教幼小中高校専門学校部執行委員会

 2012年11月22日付けで標記の文書が大阪私立中学校高等学校連合会(以下、大阪私中高連)の坪光会長名で大阪府の各私立中学校・高等学校の理事長・校長宛に発信されていました。
 その内容は、標記に関しては学習指導要領に規定されていることを各校でその趣旨を十分理解していただき、大阪府の国旗掲揚・国歌斉唱条例や府議会での議論等の状況を踏まえ、いっそうの配慮をお願いする、というものです。
 そして、平成24年9月府議会・教育常任委員会での質疑の内容を別紙で示しています。その別紙に記された「質疑」の内容の要旨は以下の通りです。

 (1)議員の質問・要望
 入学式・卒業式における国旗掲揚の実施校が昨年度(78校・全体の約76%)と変わらな
いことに対し、私学・大学課はどのような指導を行ってきたのか。指導に従わない学校につ
 いては学校名を公表すべきと考えるがどうか。学習指導要領に従うことを拒否している学校
 に対しては補助金をカットすべきと考える。府として厳しい措置を検討するよう要請する。

 (2)私学・大学課課長の答弁
 学習指導要領の趣旨の徹底に努めてきた。各校に文書通達を出し、私学の校長会等におい
ても指導してきた、引き続いて実施を強く求める。学校ごとの実施状況の公表については、
学校現場への影響も考慮しながら検討する。
 
 国旗掲揚・国歌斉唱については、学習指導要領に規定されているとはいえ、国の「国歌・国旗法」の制定過程で、強制されることがあってはならない旨の発言が国会答弁の中で繰り返し確認されています。それは、「日の丸・君が代」については、その歴史から様々な考え方があり、内心の自由や表現の自由に関する問題であり、法廷で争われてきた事柄であるからです。
 また、なぜ、入学式・卒業式で「日の丸掲揚、君が代斉唱」を法律や行政指導で強制されなければならないのか、入学式・卒業式の主人公である児童・生徒にとって「日の丸掲揚、君が代斉唱」にどんな意味があるのか等々、基本的・根本的な疑問や意見もあります。入学式・卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱については、何よりも教職員の議論と合意が尊重されなければならない事柄です。
 さらに、私学はその建学の精神や理念が独自にあり、学習指導要領にあるからといって、行政が指導する事柄でないことは明らかです。まして、私学助成金のカットを持ち出し、日の丸掲揚・君が代斉唱を私学に徹底すべきとする議員の意見は「恫喝」に等しく、政治の教育への不当な介入です。そしてそれに追従する私学・大学課の「指導」「要請」は、教育の中立性と政治からの独立、そして私学の独自性の否定につながるものです。そして、大阪私中高連が議会や行政の状況を見て会長名でお願い文書(通達)を発信するなどは、私学教育への政治の不当な介入を追認することでり、私学教育の独自性や自主性を自ら否定することになりかねません。
 大阪私学教職員組合は、教育の中立・政治からの独立、私学と私学教育の独自性や自主性を守る立場から、入学式・卒業式での「日の丸掲揚、君が代斉唱」の強制に反対するとともに、各校理事会が教職員、生徒、保護者の議論を保障し、その合意を尊重されるよう、要請します。

                                          以 上







前の画面に戻る / TOPページへ

Copyright 2009 大阪私学教職員組合(大私教)