討議資料・見解・私学おおさか
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2009/4/23
| 09私学春闘ですべての分会が取り組む4つの統一課題
| | 生徒数の学校間格差の拡大、生徒数の減少の度合いや学園の財政状況の違い、学園の民主化の到達点、理事会・分会の力関係など、各学園の個性や状況の違いがあります。しかし、その違いを前提にして、すべての分会が、以下の4つの課題を09私学春闘の統一課題として、その要求づくりから要求書の作成・提出、回答の引き出し、団体交渉の実施、要求獲得へと、原則的な取り組みをすすめます。 1.09春闘の柱としての公費助成運動の課題 私学助成は学園の経営基盤、学園の教育労働条件に直結する問題です。09春季私学助成運動を09春闘の柱に据えて取り組む。
2.学校づくりをすすめるための民主的な学校運営の課題 (1)理事会、管理職の教職員に対する管理や統制強化を許さず、安心して働ける職場づくりに取り組む。 (2)今の学園の教育を見直し、学校づくりを民主的にすすめるため、全教職員を視野に入れた取り組みをすすめる。
3.賃金をはじめとする労働条件の維持、改善と学園財政確立の課題 (1)総額人件費を削減せず、維持・増額を求め、教育・労働条件の維持・改善をめざす。 (2)人件費削減など、一方的な不利益変更を実行させない。 (3)人件費問題に関しては、学園財政の確立について分会が政策を持ち、労使協議、交渉をすすめる中で対応する。 (4)長時間労働や時間外労働問題を形式的に「合法化」する変形労働時間制の一方的な導入には反対する。変形労働時間制については、経営者・管理職が教職員の労働実態を把握すること、そのため、2001年の厚生労働省通達による労働時間管理の実施を含め、労働時間の短縮や不払い残業をなくす観点で労使交渉をすすめる。 長時間労働問題の改善については、教職員の命と健康を守る課題、労働条件改善の課題と位置づけ、労働時間短縮の要求を現実のものとする課題を明確にして取り組む。その際、現在の多忙化の要因や背景、今の労働(実態)の見直しなど、教育・学校づくりの課題とかかわる課題として取り組みを具体化する必要がある。 長時間労働問題に付随する時間外労働への手当支給については、不払い残業という違法行為を容認せず、労働基準法を基本に要求を具体化するが、その要求の具体については、「三六協定」の締結を含め、分会の議論と意思統一を重視する。 4.期限付き雇用教職員の均等待遇、雇用の安定化獲得の課題 「ILO・ユネスコ 教員の地位に関する勧告」(1966年)は「45 教職における雇用の安定と身分保障は、教員の利益にとって不可欠であることはいうまでもなく、教育の利益のためにも不可欠なものであり、たとえ学校組織、または、学校内の編成に変更がある場合でも、あくまでも保護されるべきである。」としています。 この規定は、正規雇用教職員に対すると同時に、非正規雇用教職員の実態を是とせず、私たちの要求の正当性を裏づけるものです。 (1)常勤講師に関して、以下の課題に取り組む。 @専任教職員と同一の賃金・一時金、諸手当の支給 A一方的で機械的な「雇い止め」を行わず、専任化の計画を具体化させる。 (2)非常勤講師に関して〜「改正パート労働法」に鑑み、以下の課題に取り組む。 @同一労働・同一賃金の原則遵守で、時間単価増額、一時金の専任との同率化、退職金の創設を図る。公立の非常勤賃金改定に乗じた改悪を許さない。 A諸権利の保障、とりわけ、雇用保険、私学共済加入の保障 (3)派遣職員について 労働者派遣法を遵守するとともに、同法改定の動きに鑑み、均等待遇、法人直接雇用を促進する。
09春09 私学春闘に関する要求基準案(モデル案)
09春闘「4つの統一課題」にもとづいて、各分会が要求づくりと要求書作成に取り組むにあたり、以下に要求基準案(モデル案)を示します。すべての分会は、「4つの統一課題」にもとづいた09春闘要求を各分会で作成し、理事会に提出します。
1.賃金要求 賃金については、以下の要求とする。 (1)定昇込み平均1万円以上とすること。一時金については、削減しないこと。 (2)一方的な定昇凍結、縮減、一時金削減を回復、遡及すること。 (3)期限付き雇用教職員の賃金は、均等待遇原則を基本に @常勤講師は専任と同等の賃金にすること。 A非常勤講師の時間単価を2万円とすること。また、勤続年数で加算すること。 Bパート職員の時間給を最低1000円とすること。 2.専任教職員の増員と教育条件の改善 (1)退職者の補充はもとより、常勤講師の専任化など、年次計画を明確化すること。 (2)専任養護教諭の複数配置を実施すること。 (3)30人学級を実施すること、当面、40人以上の学級をなくすこと。 3.期限付き雇用教職員の雇用確保と待遇改善 (1)常勤講師の雇用の安定と労働条件の改善 @教育の継続性を否定し、教育の条理に反する常勤講師制度を導入しないこと。また、 あらたに常勤講師を増やさないこと。 A現在の常勤講師を即専任採用すること。それが無理な場合、本人の希望にもとづいて、 契約期間を延長し、専任化の可能性、具体化を追求すること。 B同一教科で複数の常勤講師を採用しないこと。 (2)非常勤講師の待遇改善 @学校づくりの観点から、教科会議への出席を認め、手当を支払うこと。その他、授業以外の所定外労働(補講、特別授業など)に対する手当を支給すること。 A均等待遇原則に反する、または逸脱するような賃金・待遇の改悪を行わないこと。 B常勤講師の採用で、現在の非常勤講師の持ち時間削減や解雇をしないこと (3)契約書がない場合は、労働基準法にもとづいて作成すること。 (4)私学共済や雇用保険の加入など、社会保障権を最大限尊重すること。 4.教職員の雇用について、派遣ではなく、直接雇用すること。 (1)教員は言うまでもなく、事務職員やその他職員についても、法人が直接雇用すること。 (2)賃金その他の労働条件については均等待遇とすること。 5.長時間・過密労働をなくし、教職員の命と健康を守る〜多忙化の解消 (1)労働時間管理の使用者責任を果たし、労働実態を把握すること。 (2)やむを得ない時間外労働については、労基法に基づく時間外労働手当を支給すること。 (3)労働安全衛生員会の実効ある運営について、労使協議を行うこと 6.育児・介護休業の改善〜法の改定にもとづいて実施すること。 (1)育児休業について @休業期間を子が1歳6ヶ月に達するまでとすること。 A再度の取得可能な規定を設けること。 B育児休業に小学校入学までの時間短縮の制度を設けること。 (2)育児・介護休業取得の対象労働者について @常勤講師は専任教職員と同等に対象者とすること。 A非常勤講師が取得できるよう、その規定を具体化すること。 7.高齢者の継続雇用制度の確立 (1)定年年齢引き下げなど、一方的な定年制の変更は行わないこと。 (2)改正高齢者雇用安定法を遵守し、本人の希望や労働条件の維持等、法律の精神、趣旨 を尊重した継続雇用制度を具体化すること。 8.私学助成の拡充をめざす労使の協力・共同を具体化すること。 (1)「私学助成をすすめる会」の活動や私学助成の拡充を求める取り組みについては、誠実に対応すること。 (2)労使の協力・共同がなされている学園では、その前進に向けて、「すすめる会」や「分会」の要求に誠意を持って応えること。 (3)私学の生徒の教育を受ける権利を守り、教育条件を改善し、私学の経営基盤の安定化を図るため、橋下府政の私学助成削減を食い止め、拡充の道を開く取り組みに関し、労使の共同について協議すること。 9.教員免許更新にともなう経費全額を学園の負担とすること。 10.裁判員制度実施にともない、教職員の裁判員面接や裁判員としての公判出席に関しては、職免除扱いとすること。
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