争 議

2010/01/06
大阪産大高・中島先生の懲戒処分無効請求訴訟での不当判決について
                                       2009年12月28日
                                   大私教幼小中高校専門学校部
                                       書記長 岩井 繁和
 
 中島先生が学内の常勤講師に「公立高校へ行ってはどうか」と言う旨の話をしたことが、学園の人事計画を狂わせ、パワハラにあたるという理由で定昇停止という懲戒処分を受け、その処分取り消しを求めた標記の裁判で、12月25日に大阪地裁は中島先生の請求を却下する不当判決を下しました。

 判決内容は、中島先生の行為が常勤講師に対するパワハラだという学園理事会の主張は退けました。
 しかし、中島先生の常勤講師に対する発言は、仮にその講師が学園との契約更新を辞退しておれば、「人事計画に少なからず混乱を来した蓋然性は高いものと認められる」とし、故に、中島先生の言動は「本件高校の人事計画を混乱に陥れる行為であり、その秩序を混乱させる行為であるといえる」と断定。実際に人事や秩序に何の混乱も生じていないにもかかわらず、中島先生の言動は学園を「誹謗中傷するものに他ならず」、「職員たる品位を保ち、本校の名誉、信用を失墜させるような行為をしないこと」と定めた就業規則第33条に違反するとしました。
また、以前に解雇された内藤先生の解雇撤回支援活動の中心であった中島先生への見せしめであったとの主張も「認めるに足りる的確な証拠はない」と一顧だにしていません。

 このような、学園理事会の意図でなんとでも不利益扱いや攻撃の理由にできる「就業規則違反」を学園の言い分そのままに裁判所が合法化すれば、私学のみならず、すべての職場で就業規則が労働者支配の道具と化すことになります。
 また、この判決の最大の異常さ、不当さは「仮にその講師が学園との契約更新を辞退しておれば」と仮定の話を想定して、中島先生の言動を就業規則違反としていることです。
 裁判は、実際にあった事実をどう認定し、それに基づきどんな判決を下すのか決めるのが近代司法の大原則です。仮定の話を前提にして判決を下すなどは前代未聞です。

 中島先生に対して出された不当判決を許さず、高裁での逆転勝訴めざし、これから支援の輪をいっそう大きくしてたたかいをすすめますので、みなさんのいっそうのご支援をお願いします。






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