争 議

2011/09/21
近大泉州不当懲戒事件 ねらいは組合つぶし 解雇撤回活動の封殺
昼休みでも
組合ニュース見たら
停職8日間!
’09年9月10日泉州学園佐々木敏昭理事長は、昼の休憩時間に職員室の机上のパソコンで組合ニュースを見ていた組合委員長に対し、「就業時間中に学校の機材を使って組合活動をした」として8日間の出勤停止処分(月給4分の1減給)を行いました。
委員長がニュースを見ていたのは、2日前の12時30分ごろです。学園の就業規則には、職員の昼休憩は「午前11時50分から12時40分」と記載されています。明らかに昼休憩中の行動です。しかし、この日、見とがめた教頭は「就業内の組合活動だ」と指摘し、「昼休憩中です」と反論した委員長に「昼休憩を申し出ていない」と取り合わず、ただちに学内の業務運営会議で処分を決め、2日後には処分を実施しました。これにより、月の給与の4分の1が奪われ、生活に大きな影響が及ぼされました。


「時間外でも組合活動はいっさい禁止」
石本事務局長
 休憩時間でも、終業後でも校内での組合活動は禁止と言ってはばからない石本事務局長。正当な組合活動を犯罪のように言うのは異常です。
これは、先の不当解雇への批判が校内で大きくなることを恐れてのことです。
就業時間外に職員室で組合ビラを配布したことが就業規則違反にあたるとして、学園は配布した組合副委員長を減給処分としました。組合がビラなどを発行し、配布することはごく当たり前の組合活動です。
学園はこれまで、私的な懇親会のビラなどを学校の印刷機で刷り、就業時間内に配布することを認めてきました。副業の「アムウエイ」のチラシを数百枚も印刷した教員でさえ処分されませんでした。ところが、節度ある正当な組合活動には狂ったように懲戒処分をしているのです。ここにこの事件の核心があります。不公平な対応や組合敵視では、学校が成り立ちません。


ここがおかしい一審判決
正当な組合活動がなぜ就業規則違反?
懲戒処分のねらいを見ようとしない判決
 大阪地裁堺支部(大西嘉彦裁判長)は、’11年4月26日組合委員長・副委員長への処分は『懲戒権の乱用として無効』との判決を行ないました。しかし、違法であるとしながら、事実を正しく見ないで、違法性の程度が軽いとして、不法性と加害性を認めず、慰謝料の請求を棄却しました。
判決がこのような矛盾に陥ったのは、処分のねらいと事件の本質から目をそらせ続けたからです。その結果、憲法が保障する表現の自由を侵し、正当な組合活動に懲罰を加えることが許されるという、とんでもない判決になっています。
「処分は無効」という勝利判決にもかかわらず、組合活動を守るために、原告は控訴してたたかっています。




石本事務局長の「就業規則は憲法に優先する」が正しいの?
 不当解雇や不当処分以後、「休憩時間でも、終業後でも校内での組合活動は禁止」「憲法より就業規則が優先する」と言ってはばからない学園石本事務局長。
 これは、この懲戒処分も就業規則の解釈も憲法に違反していることを自ら認めたものです。2人の行動は、明らかに組合活動です。憲法で保障された私たちの権利さえも学園は無視しようとしています。これを見ない判決は不当です。



組合活動だからダメこれが不当労働行為
 就業規則違反が明らかな行為でもとがめないのに、就業時間外でも組合活動なら懲戒処分をする。これほどあからさまな不当労働行為はありません。
 ここから目をそらせた一審判決は、日本中の働く者にとって見逃すことのできない不当なものです。



不当懲戒処分のあらまし
 平成21年9月、就業規則に違反したとして佐々木理事長は、昼の休憩時間にノートパソコンで組合ニュースを見ただけの組合委員長に停職8日間と約12万円の給与減額、解雇撤回裁判を支援するビラを、就業時間外の午後6時過ぎに職員室の教員の机に配布した組合副委員長に減給する処分を行いました。
 不当な処分を受けた2人は大阪地裁堺支部に処分撤回を求めて提訴。4月26日処分無効の判決を得ました。しかし、不当労働行為を認定しないなど、判決内容に問題があると判断し、原告は大阪高等裁判所に控訴しました。
なお、解雇撤回裁判では、大阪高裁において7月15日、地裁堺支部の不当判決をくつがえす解雇無効の判決を得ています。



不当労働行為とは
使用者による組合活動への妨害・抑圧的行為を意味する労働法用語。
 労働組合法第7条では、
@組合活動への参加を理由とする解雇・配置転換・賃金や昇給などの差別・その他いっさいの不利益待遇、A組合に加入しないという約束を労働者におしつけること、B団体交渉の拒否、C労働組合にたいする支配・介入〈選挙干渉・買収・組織誹謗など〉、または組合御用化のための経費援助などを不当労働行為として禁止している。不当労働行為にたいして、労働者または労働組合は、裁判所への提訴や労働委員会への救済申したてによってたたかうことができる。   
         (『新編社会科学辞典』新日本出版社)






前の画面に戻る / TOPページへ

Copyright 2009 大阪私学教職員組合(大私教)