争 議

2009/10/15
10月2日(金)近大泉州高校 飛翔館裁判結審
生徒達が安心して学べる学校を取り戻したい
10月2日、大阪地裁堺支部において近畿大学泉州高等学校(前飛翔館高校)解雇裁判の結審が行なわれました。最終の準備書面の確認の後、最終陳述を原告の松岡先生が行い参加者の感動を呼びました。
 
教職を奪われ、生徒達と引き離された1年6ヶ月

 新学年の3日前に突然解雇され、早1年6ヶ月が過ぎました。教師を天職と信じ、生徒を教えることに生き甲斐を持っていたのに、いきなり教壇を奪われ、生徒達と引き離されたこの1年6ヶ月間の悲しさ、苦しさ、悔しさは言葉で言い表すことが出来ません。1日も早い教壇復帰を願いたたかって来ましたが、こんなにも長い間かかるとは思っていませんでした。「先生、いつ帰って来るん?」「早よ帰って来て、教えてや」と言ってくれる生徒達に4月当初は「早ければ2学期には帰れるかも」、2学期になると「3学期になるかも」、3学期になると「新学期には帰るよ」と言い続け、今日まで来ました。今年1月17日に卒業した生徒達との「卒業式は絶対見てあげる」という約束も果たせず、現3年生の「絶対教えに帰って来てな」という声に「任せなさい」と言ったのに、その約束も果たせないのではないかと思うと胸がつぶれそうになります。

 生徒一人一人を大切にする飛翔館高校の教育が成り立たなくなる

「このままの教員数では経営が破綻する」という理由で私達を含め7名が解雇され11名が心ならずも自ら退職しました。生徒数は変わらないのに教員が半数になってしまったら、飛翔館高校の「生徒一人一人を大切にする教育」が成り立たなくなることなど誰が考えても明かなことでした
 
 生徒達は私達のために何が出来るかを自分達で考え実行してくれた

昨年の始業式の日、「何故こんなにたくさんの先生がいなくなったのか説明して欲しい」という生徒達の声に納得のいく説明すらせず誠意ある対応もしなかった学校側。あの日、生徒達がどんな気持ちで精一杯怒りを抑え、冷静に説明を求めていたか。「今、理事長らに説明してって言うてんのに子供扱いして、相手にしてくれへん!先生、今から学校来て!」と泣きながら電話をしてきた生徒に「私らのためにこんな嫌な思いさせてごめんね。ごめんね」としか言えず、私も泣くしか出来なかったことが昨日のことのように思い出されます。後日、説明会を開くと約束したにもかかわらず、その説明会が開かれるまで様々な出来事がありました。生徒に説明すると言ったのに対象が保護者のみになっていたことについて理事長室に話に行き、「5分だけなら聞いてやる」と言われ、話の途中に「もう5分経ったから出て行け」と追い出され、悔しさのあまり過呼吸になって保健室に運ばれた生徒。同じ生徒を何度も呼び出し「始業式のことは山本にやれと言われたんだろう」と問いただした事務局長。そして、呼び出されたことは誰にも言うなと口止めまでしたのです。生徒達は私達のために何が出来るかを自分達で考え、実行してくれたのです。それほど生徒と教師に密接な関係がある。これが飛翔館高校の教育なのです。
いきなり半数もの教員がいなくなり、環境が一変してしまったことにどれほど生徒が傷ついていたことか。
 
「私らの1年を返して欲しい」
 
 今年、生徒が激減したにもかかわらず、7人もの常勤講師が雇われ、2人が専任教諭になりました。収入が大幅に減っても教師を雇う余裕があるということだと思います。それならば何故、昨年整理解雇が行われ、生徒達が、教員があれほど苦しまなければならなかったのでしょうか。経営が破綻するから整理解雇したというのは何だったのでしょうか。今年卒業した生徒達の「私らの1年を返して欲しい」という言葉が胸に突き刺さります。それほど生徒達は傷ついていたのです。昨年、どれほど生徒達が涙を流していたか、そして、今の在校生が自分達のことを「捨て駒」と言い、「こんな学校に入学したつもりはないのに」と言っているのを知っているのでしょうか。
 
 生徒達が安心して学べる学校を取り戻したい
 
 学校は勉強のみを教える場所ではありません。生徒の一人一人を大切に育てるのが学校であり教育なのです。経営にのみ目を向け、生徒の気持ちを無視した生徒不在のこの「学校改革」という名の下に行われた暴挙を絶対に許すことは出来ません。学校は生徒がいるから学校であり、教師は生徒がいるから教師でいることが出来るのです。教壇に立てなくなって改めて私は、いかに生徒が好きで、教えることが好きかということを実感しています。私達は1日も早く教壇に戻り、生徒達が安心して学べる学校を取り戻したいと考えています。裁判所におかれましては、この解雇が不当解雇であるとの判断を下してくださり、私達を教壇に戻してくださることを心から願っております。       飛翔館裁判原告団   松岡好美

次回判決は12月18日(金)13時から大阪地裁堺支部304号法廷で行なわれます。多数の傍聴をお願いします。







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